この時期、花粉症だか風邪だか分かりづらい今日この頃、いかがお過ごしでしょう?
どちらも、という可能性もありますが…
さて、本題。
巷で問題になっているCATVの違法再送信が、相次いで見つかっているそうです。
CATVで違法地デジ再送信の発覚相次ぐ ルール周知徹底難しく -
ITmedia
*情報提供元…
フジサンケイビジネスアイ
記事によると、「長野県では届け出ていない施設での送信、静岡県では同意を得ずに送信していた事実などが明らかになり、小規模企業が乱立するCATV業界への対応の難しさが浮き彫りになった」そうです。
CATV側としては、「加入者から他地域の局を再送信して欲しいという要望がある」
放送局側としては、「ネット局に配慮するため、再送信同意は難しい」
CATV側、放送局側、それぞれの事情があるのでしょうが…
アナログではあまり問題にならなかった「区域外再送信」が、デジタルでは大きな問題となっています。
もちろん、放送局の台所事情と大きな関係があり…
かつては、ただネットしていればネット料が山のように入ってきた地方局ですが、近年のテレビ不況と多額のデジタル放送対策費用が収益を圧迫し、減収に関わる問題にはかなり厳しくなっているのが現状です。
CATVで区域外の放送を見られるようになると、区域内の局が放送している番組を見てもらえなくなるという可能性があり、視聴率が落ちる=広告収入が落ちるというワケです。
一方、CATV側も各自治体単位が基本で小規模業者が多い故、出来るだけ多くのチャンネルを確保し、加入する事で他地域の番組が見られるなど、加入促進の「ウリ」にしたいワケで…
アナログ放送では見られた他地域の番組がデジタル放送では見られなくなり、CATVに入るメリットが少なくなって解約…というケースを防ぎたいので、出来るだけデジタル放送でも他地域の局を再送信したいのが本音です。
視聴者としては、「大都市圏のテレビが見られるなら、CATVにカネを払って良い」というワケであり、高いカネを払ってもアンテナを立てた時と同じ放送しか受信できないのであれば、何の意味も無いというコトになります。
それだけ地方の人にとっては、大都市圏のテレビが有り難い存在なのです。
…裏を返せば、地方局の番組が面白くない、あるいは私利私欲に走って人気番組を放送しない、もしくは放送局の数が少ないから見られない、という問題が切実なのです。
番組が面白くないのは、自社制作をおろそかにし、地方局がキー局のネット番組収入を経営の根幹としてきたツケ、といっても過言ではありません。
権利問題は置いといて、「テレビ番組再配信サービス」が登場するのも、そういう事情があったりもしますが…
再配信サービス会社やCATV局が「タダ乗り」しているという批判もあります。
確かに、放送局側からすれば「タダ乗り」かもしれませんが、民放である以上、CM収入が事業の根幹である事は言うまでもなく、CMをカットしている、あるいは地方局のように番組を「切り売り」しているのであれば問題ですが、CMを含めて見て貰っているのですから、「再配信に同意すれば無料で配信できる」のは、当然かもしれません。
どうしても再配信が「タダ乗り」と言いたいのであれば、「著作権料相当」を支払うという事で和解すべきでしょうし、一方的に「ウチの放送は他の地域で見るな」というのは少々おかしな話です。
だからといって、CATV局の違法再配信はいかがなモノかと思います。
どうしても視聴者不在になりがちな再配信問題。
地上デジタル放送を完全実施するのであれば、総務省、放送事業者、視聴者がそれぞれ意見を出し合い、和解に向けてよく考えるべきでしょうね。
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